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俺に彼女が出来るまで

俺に彼女が出来るまで……7、今さらですが気持ちを確かめ合いました

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「あんっ」
 女子大生はキスの途中、ぐい、と肘で男の体をはねのける。
 教え子は思わぬ抵抗に、ぎょっとして力を緩める。彼女が顔を戻し、ぱっちりと瞳を開けた。今にも泣き出しそうにも見えた。
 大輔は飛び跳ねるように、麻美子の体から離れる。彼は手をついて、必死に家庭教師に詫びた。
「麻美子さんごめんなさい! 乱暴にしちゃってごめんなさい!」
 彼女は高校生を見て、あわてて起き上がった。
「あ……。わ、私の方こそ、ごめんなさい」
「すみませんでしたっ! 調子に乗りすぎました! すみません!」
 大輔が大声を上げ、もう一度、手を床についた。
 とにかく、嫌われたくない一心でいっぱいだ。
 やがて彼の詫びる声に混じって、麻美子の悲愴な声がしてきた。
「あ、あっ、大輔さん。あのう、かっ、顔を上げてください。違うんです!」
「へっ?」
 見上げる彼女は額に汗をにじませ、手と首をぶんぶん横に振っている。
「あ、あのですね。私の方が誘われたかったんです!」
 彼女は一気に言葉を吐き出したあと、きゅっと唇を引き結んだ。
「はいぃ?」
 大輔は麻美子を食い入るように見つめる。彼女の双眸が濡れ光っていた。
「あっ……だから、そうなんです」
「だから、って? どういうこと?」
 彼女は困ったように、少しだけ眉をひそめた。それから一瞬俯き、生徒を真っ直ぐに見据える。
「は、恥ずかしいけど……正直に言います。いつになったら私のこと、誘ってくれるのかなあって思っていました。それがいきなり予想外のところで押し倒されちゃったので……」
「は、はあ。そうですかー」
「よっ、予想外なんですよ!」
 拍子抜けした大輔は、呆然と家庭教師を眺めた。
 彼女の白い額から大粒の汗が噴き出る。さらさらした前髪がぺったりと濡れていく。
「あ、あのう。うれしかったんですよ、ほんとです。けど、ちょっとびっくりして、つい」
 麻美子が大輔を見つめる眼差しは、真摯そのもの。
「そういうものなんでしょうか。そのう……女心ってヤツですか?」
「きゃっ」
 麻美子は恥ずかしそうに、両手で顔を覆った。指の隙間から見える肌の色が、ぽっぽっぽっと紅くなっていく。
「えー、だって。私、まるで昨日のことが夢みたいに思えてて。自分でも、よくあんなことできたなとか思ってたんですよぅ……」
「あ……。あの、自分から脱いだりしたことですか?」
 そうだ、思い出した。この人は天然だよ。
 麻美子は顔を覆ったまま、何度も頷く。
「そ、そうです。一目惚れした男の人のこと、なんとか誘惑しなくちゃって思って。そ、それで」
「は、はあ」
「けど昨日は、がんばりすぎました。だから逆に嫌われてしまったのかって思ったんです」
 大輔の口元が緩む。なんだ、考えてることは同じだったのか。
「あ、あのう。俺も麻美子さんのこと、好きです」
 美人女子大生が顔から両手を外し「えっ」と小さく吐息を上げた。
 高校生の心臓は、急にバクバクしてくる。
「い、いやあ。俺も夢みたいだなあって思ってて。きっとこっちの勉強のモチベーションを上げるために、無理して考えてくれて、それでセックスしてくれたんじゃないのかなって」
 麻美子は大きく両目を見開いた。
「そんなこと……。全然、考えていませんでした」
 ああ、やっぱり天然だ。
 想像しているほど、麻美子先生は男慣れしていないのかもしれないな。こっちと考えてること一緒だったし……お互いにテンパってただけか。
 そこまで考えた大輔は、彼女が家に入って来た時からの、ぎこちない行動の訳がわかった気がした。
「そんなに思い込みを激しくしなくても……」
 肩から力が抜けた生徒と、家庭教師の目線が合う。
「えー。でも、やっぱり」
 彼女は照れくさそうにしているが、口元に安心したような笑みを浮かべていた。多少、リラックスしてきたんだろう。
 大輔も安心したせいか、もくもくと腰あたりが熱くなる。
「じゃ、じゃあ、俺と麻美子さんは、あのう。りょ、両思いって思っていいんでしょうか?」
「は、はい」
 麻美子は身じろぎもしない。
 彼女がまばたきをする動きに合わせて、長い睫毛が上下する。大輔が見とれそうだった時、ふと卓袱台に目線が行った。さっき書き上げたA4の小テストがある。
 彼は改めて家庭教師の隣に座り直し、その紙を取った。彼女は目だけで、生徒の動きを追う。
 大輔は麻美子の反応を窺いつつ、慎重に笑んだ。彼女の動作はぎくしゃくして、しかも緩慢なままだ。
「麻美子先生。採点してください」
「あっ、はい」
 けれども生徒は力強く、家庭教師の手を取った。
「えっ……?」
 彼女が意外そうな目で、大輔を見る。すかさず言った。
「やっぱ、採点は今はいいです。そ、それよりも俺、麻美子さんのことをもっと知りたい」
 我ながら、昨日まで童貞だった男とは思えないほどの思い切った言葉だ。こんなこと、相手にもその気がまったくなかったら言えるはずがない。
 麻美子が戸惑ったように、ぱちぱちまばたきをする。
「私の方こそ……生徒さんを好きになっちゃうなんて。ふしだらなヤツ、って思われていませんでしょうか」
「まっ、麻美子さんが、ふしだらだなんて。そんな」
 条件反射的に、必死で右手を横に振ってみせる。家庭教師は頬をほころばせた。
「うれしい。私、なんでも教えてあげたい」
「なんでも?」
 思わず口の中に溜まったツバを飲み込む。
 ごくり、という音は相手にも聞こえたかもしれない。だが、家庭教師は艶然と笑んだ。
「はい」


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