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俺に彼女が出来るまで

俺に彼女が出来るまで…6、家庭教師に褒められました

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 美人女子大生は定刻五分前に家に来た。昨日と同じリクルートスーツを着ている。今日から本格的に、家庭教師と生徒の関係がはじまるのだ。
 大輔は彼女と卓袱台越しに向かい合っている。図書館で勉強した成果を問われている真っ最中だ。
 麻美子は宿題を丁寧に採点しながら、顔を上げた。
「言ったところを、ほぼ完璧に解いてくれているのは助かります」
 赤ペンを持った彼女が、にこにことうれしそうに笑う。大輔は神妙な顔をして頷く。
「今朝、図書館に行って、やってみたんです」
「そうなんですか?」
 麻美子は目を細めた。目尻の端にできる笑い皺が色っぽい。
「この調子なら、基礎はもう大丈夫っぽいですね。よかった」
「いやあ」
 大輔は、どぎまぎしながら頭をかいた。なぜか、彼女の顔を直視できない。どうしてだろう、つい何時間か前の同級生との会話は緊張しなくて済んだのに。
 それに気づいた時、カッと頭に血が昇った。
 家庭教師は彼を見て、つられたように頬を赤く染めた。
 彼女は少し焦ったように、唇を動かす。
「あっ……大輔さん。お勉強、先に進めてもいいですか?」
「は、はい。お任せします」
 家庭教師は大輔の言葉に瞳をそらし、安心したような吐息を漏らした。
 二人の間に流れる空気が小さく揺れる。
 たったそれだけのことなのに、生徒は激しく緊張してしまう。
 おかしなことに閉ざされた空間の中、ひとりが緊張すると相手の方にもそんな空気が伝わってしまうものだ。
 麻美子は息を整えつつ、意外と純朴な生徒を見据える。少しでも「家庭教師でありたい」と言わんばかり。
 彼女の頬にふたたび、赤みが射してきつつあった。
「だ、大輔さん」
「はっ、はい!」
 大輔は姿勢を正した。家庭教師が目を細める。
「あのう。わ、私なりに復習のテストを作ってきたんです。やってみていただけますか?」
「やりますやります!」
 とりあえず緊張状態がほぐれるなら、なんでもいい。大輔は、ぶんぶんと首を縦に振った。
 勢いに押された麻美子は、指先までを赤く染めた。あたふたとカバンの中からA4の紙を出す。
「一時間で、できるところまで解いてみてください」
「ここで?」
 いくらなんでも麻美子さんに凝視されながらでは、できる問題も間違ってしまうよ。大輔は眉をしかめた。 
「いいえ、勉強机のある部屋でいいですよ」
 美人家庭教師は、そちらを軽く見遣った。昨日、童貞喪失した場所だ。
「ま、麻美子先生は?」
「ここにいます。もしも、わからない問題があれば呼んでください。そこからまた、復習を始めましょう」
「はい」
 どうやら何回も問題を解かせて、間違えたところから徹底して教えるつもりらしい。
「じゃあ、一時間後に。それからは自習にしましょうね」
 自習、の言葉に麻美子は力をこめた。言い切ったあと、ぽっと目尻を紅く染める。
 大輔は全身で反応した。一時間後に麻美子さんと抱き合えるチャンスかも? 
 不意に、昨日体験した痴態のすべてが脳裏をよぎる。下半身が熱を帯びた。
 彼は疼く腰のあたりをなだめるため、自分自身に言い聞かせる。
 ……落ち着かなくちゃ。
 俺は、とことん自分勝手だ。昨日のことは夢みたいだと思っても、チャンスがあれば、また麻美子さんの体を貪りたいと思ってしまう。
 これではまるでサルか、ケダモノみたいじゃんか。
 複雑な気持ちを抱いた大輔は、卓袱台に手をついて立ち上がった。そんな彼を家庭教師が濡れた瞳で見上げる。
「だっ、大輔さん。あのう」
「はい?」
「あ、いえ。な、なんでもないです。私、ここで待ってますから」
「はい。じゃ、がんばって早めに終わらせます」
 彼は部屋の襖を閉め、勉強机に向かう。あらためて手作りのテストを眺めてみた。
 午前中に同級生が親切に教えてくれた御蔭か、楽に解くことができている。
 この調子で、単純なケアレスミスさえなければ楽勝だ。思わず口元が緩む。机の上に置いて充電している携帯電話を見ると、まだ十分も時間が余っていた。
 終わった、と報告するには良い頃合いかもしれない。
「この次は麻美子先生の体を、じっくり自習させてください! ……なんてな、動物じゃあるまいし。こんな男、嫌われちゃうよな」
 つぶやき、用紙を持って椅子を立つ。
 体を自習云々は無理としても、時間内で終わったことくらいは褒めてもらえるに違いない。デレデレと緩む頬を片手で押さえ、襖を開けた。
「先生ー、できましたよーっと! ……って、あれ?」
 視界の中、麻美子が卓袱台に突っ伏して寝ている姿が飛び込んできた。彼女は正座していた膝を斜めに崩し、気持ちよさそうな寝息を立てている。
「先生? 麻美子先生? こんなところで寝てたら、風邪、引いちゃうよ?」
 人差し指で、肩をつんつん突いてみた。が、相手は起きる気配がない。
 無理に起こして、採点してもらうのも気が引ける。
「もう少し寝かせてあげてもいいんですけど……」
 家庭教師の耳元で、わざとらしく独りごちた。不意に麻美子が顔を上げる。彼女は目をぱちくりさせ、照れくさそうに唇を尖らす。
「寝るつもりじゃなかったんですけれども」
「お、襲っちゃおうかと思っちゃうじゃないですか」
 大輔は軽く冗談を言った。しかし、言われた相手は両の瞳を大きく見開いた。
「あ、ああっ……じょ、冗談です。すみません」
 彼はあわてて詫びながら、麻美子の「寝起きの顔」に見とれた。
 ぽわんとした表情で彼を見つめる眼差しは優しくて、ちょっぴり気だるくて、前髪が乱れて、そして耳元がほんのり赤い。
「あ、あのう。俺」
「はい」
 返事をしてくれた家庭教師は、吸い込まれそうな大きな瞳で大輔を見つめる。
「麻美子さんのテスト、終わりました」
 彼女は弾かれたように卓袱台の上に視線を移した。
「あ、ああ。ほんとですね! は、早かったんですね! 結構、問題数は多かったんですけど」
(横顔も本当に綺麗だな……。鼻筋も通ってて、睫毛も長くて、ぱちぱちするたびに揺れてるよ……)
 もう我慢できない。
「すぐに採点しますね」
 大輔は家庭教師に答えず、畳の上に押し倒す。
 あっ、と戸惑う声がかすかに聞こえた。彼は力任せに細い体にのしかかり、女のつやつやした唇を貪りはじめる。


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