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女子高生と恋愛しませんか?

女子高生と恋愛しませんか?……2

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第二話・いきなり投げキッス♪


 入学式が始まった。
 体育館の中で、緊張した面持ちの女子生徒たちが並んでいる。
 俺の受け持ちになるA組は……と探すと、そこだけがひときわ目立っている気がした。

「どうしました? 伏見先生」
 
 ゴシゴシ目をこすっていると、俺より一歳年上の前田という男性教師が気遣ってくれた。担当は英語で、今年は二年生の担任をする人だ。なんでもスマートに振舞って、涼しい顔をしているようなタイプ。正直、苦手だ。
 
「あっ、すみません。なんでもないです」
 そう返事をしたら、前田先輩は耳打ちをしてきた。
 
「伏見先生、ラッキーですよ」
「えっ」
「先生のクラスに、ここ十年のうちで一番の美少女がいます」
 
 あんまり興味ないな、詩織一筋だし。まあ適当に返事しておこう。
 
「へえ、それは楽しみです」
「僕が面接したんですけどね、もうホンットに可愛いんですよ。しかも性格もいいですし。あ、担任紹介の時間です。頑張って!」
 
 教頭が壇上で「担任紹介」と言い、さらに手で招く。俺は前田先輩に軽く礼をしてから壇上に登った。
 
「一年A組の担任、伏見幸彦です」
 そう言いながらさりげなく、さっき目立って見えた箇所をチェックした。

 あ……あれ?
 今朝、新聞配達してた子がいる。うちの高校の生徒だったのか。
 
 入学式が終わってからトイレに行った。冷たい水で手を洗い、鏡を見る。
 髪型も、濃紺のスーツの着こなしもバッチリだと思う。

「さあ、行くか」
 
 今日が入学式であるせいか、一年生のクラスが並んでいる廊下は静かだ。「他の先生もさっさと来ればいいのに」と思いつつ、自分のクラスの引き戸を開けた。途端に生徒たちが一斉に姿勢を正す。
 やがて、制服を着た女の子たちの視線が集まった。最初が肝心だ。よーし!
 
「皆さん、ご入学おめでとうございます。今日から一年間、担任を務めさせていただく伏見幸彦です。よろしくお願いします」

 そう言って、頭を下げた。
 うーん、なんか堅苦しい挨拶になっちゃったな。失敗だ。
 内心の動揺を悟られない様、平静を装いながら顔を上げる。
 
 その直後、生徒たちは口々に「よろしくお願いしまーす」と言ってくれた。硬直していた体がほぐれていく。
 ああ、いい子たちでよかった。
 なんだか泣きそうになってるのは、それだけ緊張していたからだろうか。
 
 生徒手帳や時間割のプリントは、あらかじめ教壇に揃えてある。それらを説明しながら配っている時、余計な事が頭に浮かんだ。

(さっき前田先輩が言っていた美少女って、このクラスにいるんだっけ。まあ、後で分かるか)

 教壇に戻って、俺は言った。
 
「さて、改めて自己紹介をします。名前は伏見幸彦。この前、大学を卒業したばかりです。だから、君たちと年は近いと思います。担当の教科は現代文と古典です。長所は真面目な事。以上です」
 
 生徒の一人が言う。
 
「先生、彼女いるの?」
「内緒でーす」
 
 教室の中が騒がしくなった。からかう様に笑いながら、こう言ってみる。
 
「俺が答えたら、君にも答えさせるよ。それでもいい?」

 えー、やだー、という声が上がり、一段と騒がしくなっていく。

「はいはい、静かにしよう」

 ぱんぱんと両手を叩き、生徒たちを静かにさせてから言う。
 
「では、皆さんにも自己紹介してもらいましょう。出席番号一番からどうぞ。ちゃんと立って、順番にお願いします。他の人は静かに聞いてね」

 俺は振り向いて、黒板に「名前」「趣味」「高校生活でやってみたい事」と三つ書いた。

「最低この三つは、先生とクラスメートに教えてください」
 
 生徒たちの自己紹介は、淡々と進んでいく。
 時折、自己紹介をしている生徒の冗談に受けたらしい、他の生徒の笑い声が聞こえる。
 名門と呼ばれる我が校の厳しい面接を通り抜けてきただけあって、どの子も皆、明るくて躾が行き届いている様に見えた。
 
 ここの高校なら、化粧をして登校してくるような不届き者もいないだろう。
 よかった、まずは一安心だ。
 
 その時、誰かの強い視線を感じた。一番後ろの席からだ。
 視線を移すと、ものすごく可愛い子がいる。
 
 間違いない。
 あの新聞配達をしていた子は、俺の生徒になったんだ。
 
 ほんの一瞬、目が合う。
 自分が立っているこの世界が、俺と彼女の二人だけになったような気がした。
 
 色白の小さな顔に、制服の紺色がよく映える。長い黒髪を後ろでまとめているあの子は、紛れもなく今朝会った美少女だった。大きな瞳がキラキラと光っている。
 
 彼女は投げキッスをしてからウインクをし、さらににっこり微笑んだ。
 ぽかんとしたその時、彼女はぷるぷるした桜色の唇を閉じて目をそらした。
 
 朝ちょっと会ったくらいで投げキッスなんて。からかわれてんだな、きっと。
 
 自意識過剰と自分を戒め、自己紹介をしてくれる生徒たちに集中する様に努める。
 
 やがて、順番が来たあの子が立ち上がった。
 今度は俺の顔を見ている。
 
 クラス中の視線が彼女に集中した。明るく澄んだ声が教室中に響き渡る。
 
「八木沢愛里です。趣味はバスケの試合を観に行く事で、この高校のバスケ部に入って頑張りたいです。よろしくお願いします」
 
 八木沢が自己紹介を終えると、クラス中の生徒が溜息をついた。
 多分、彼女が自己紹介のラストだからという理由だけではないだろう。
 
 案の定、翌日から八木沢はクラスの人気者になった。クラスだけじゃなくて、校内でも職員室でもだ。まあ、あれだけの美少女だし当然だろう。 
 
 私立高校教師の仕事も楽じゃない。
 公立に勤務している教師から比べたら、給与はいいかもしれないけど。

 東京近郊の公立高校の教師が毎朝八時出勤だとしたら、俺は七時に出勤している。帰りの時刻も早ければ六時には帰るが、遅い時は九時過ぎになる事だってある。
 早く帰宅できた時には、部活を任されていなくて良かったと、しみじみ感じた。持ち帰ってする書類仕事の量が半端ないからかもしれない。
 
 書類の他にも、俺の手を煩わせる行事があった。来月初旬の校外学習だ。
 日帰りなのはいいけど、担任として生徒を引率せねばならないのはきつい。行き先は昨日の会議で鎌倉に決まっている。
 
 なんとか今日も一日、無事に終わった。明日行ったら休み。俺、よく頑張った。
 独りごちながら校門を出ると、辺りはすっかり暗くなっている。

「もう七時か、そう言えば」
 
 部屋の鍵を開けて、冷蔵庫の缶ビールを取り出す。 
 やっぱ仕事終わったらこれでしょ。プルタブを開けてノドを潤すと、いっぱしの社会人気分になった。
 明日の授業の範囲を確認しながら、思い出したことがある。
 
「明日の朝、挨拶当番だったな」
 
 毎朝、校門の入り口に立って生徒と挨拶するアレだ。
 部活の朝練で早く登校してくる生徒もいるし、いつもより三十分早く出て校門に立っておかないと。
 朝練か。俺も部活持ってみたいな。できれば文化部がいい、書道とか。作れるように部員を集めてみようかな。
 
「八木沢は、バスケ部だったか」

 なにげなく呟いた俺は、それ以上の事を考えるのを止めた。自分が、二度と戻れない深淵に落ち込んでしまう恐怖を感じたからだ。

 
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