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【  2012年09月  】 

魔王に抱かれた私……27

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.29 (Sat)

 27、抱きしめたい エレーナは戸惑いながら、カインに問いかける。「自分が?」 彼は女王よりも戸惑った笑顔を浮かべた。「あなたも。軍閥も、レフティも……大事に思っている人間は、誰ひとり失くしたくないんです。その気持ちは、わたしにもよくわかります」 彼女はカインに、唇を震わせながら応えた。「わたしはあなたを、ないがしろに思っているわけではないんです! そうじゃないの、そうじゃないのに、あの時は誰一人、カイ...全文を読む

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魔王に抱かれた私……26

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.28 (Fri)

 26、憂い・2 エレーナは帆船のデッキに出ていた。 静かな夜だ。普段は馴染みのない潮風が、後ろで一つに束ねた髪にまとわりつくような気がする。 初めての船旅なので、なかなか体が慣れてくれない。 それでも今夜、少しだけ気分がよくなってきた。この船に乗った皆が彼女を心配して、あれこれ世話をしてくれることを申し訳なく感じている。 彼女がカインとエーベル、加えて幾人かの使用人を連れて航海した時から何日か経って...全文を読む

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魔王に抱かれた私……25

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.24 (Mon)

 25、憂い・1 レフティはエディット王室の婚礼に、女王が招聘されたことを訝しく思っていた。それに、臣下のほとんどが、招待を前向きに考えているのが気にくわない。 会議は軍部と政治部の面々、それにエレーナ女王で成り立っていた。政務担当たちは先代の国王が即位した頃から仕えている老臣だ。 西国からの招待の議題は以前に一度、俎上に上がっていた。しかし、その時は「レフティが不在だから」という理由で保留となってい...全文を読む

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魔王に抱かれた私……24

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.18 (Tue)

 24、儀式の裏側で「杯の儀式」が、廷内の大広間で行われていた。宮中を含め国の隅々まで男女を問わず、国家に尽くしたと認められた者が呼ばれ、女王に祝福を受ける儀式だ。 儀式に呼ばれた人間は、一家一族の誇りとされていた。広間には大勢の人で溢れ、皆は一様に誇りと自信に溢れた表情をしている。 大広間の前方には祭壇がしつらえてあり、中央の位置、参列者を見渡せるようにエレーナ女王がいる。 戴冠式の時の衣裳よりも、...全文を読む

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魔王に抱かれた私……23

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.18 (Tue)

 23、長い夜・3 カインは執務室のドアを内側から閉める。振り向くとエーベルが長椅子に腰かけたまま、こちらを見て肩をすくめた。「こんなに酔ってしまったのも、久しぶりかもしれません」「構わんよ。わたしも酒を口にするのは久しぶりだ」 部下に笑いかけたカインは、エーベルの向かい側に深々と腰かけた。二人の間にあるテーブルには、金属製のワインクーラーがある。 大きめの氷がたくさん詰まっていたはずのそれは、冷えた...全文を読む

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魔王に抱かれた私……22

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.17 (Mon)

 22、長い夜・2 壁の上方から蝋燭の灯りが、フランの頬を照らしている。レフティは彼女の片手を取って握りしめた。「俺を頭がおかしい男だと思う?」 フランは首を横に振った。彼は負けず嫌いだが、偽りを好む人間ではない。でも彼女は、次の言葉を聞くのが怖い。「もしかして、レフティさまは……」 レフティはフランを注視し、唇を真一文字に結んだ。「カインが『魔王』?」 フランは言いかけ、言葉に出すことを止めた。彼の言...全文を読む

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魔王に抱かれた私……21

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.17 (Mon)

 21、長い夜・1 フランと中庭で別れたエーベルは、今、カインの執務室の前にいる。彼は片手に、赤ワインとグラスを二つ持っていた。 リネン係の女友だちと別れた後、女王付きの侍女から「杯の儀式」の日取りが決まったと聞いた。エーベルは以前から、よろこばしいことは真っ先にカインに報告している。 扉を軽くノックすると、中から上官の声がした。 エーベルは礼をして中に入る。カインは彼が持っているワインの瓶を見るなり...全文を読む

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魔王に抱かれた私……20

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.14 (Fri)

 20、罠・4 ヴィクティムは捕虜にゆっくりと頷いた。「おまえがありのまま述べることで、我々の呪いは完成するんだよ。言葉の端々に宿る、激しい憎しみこそが肝要だ」 促された男は、震えながら話しはじめる。「あの日に軍事演習があることは知っていた。あんたが思っている通り、あんたを呪いに来たんだよ。一人で密航するのはたやすい。しかし、見つかった場合のことを考えたんだ。ならば、二人で行こうということになった。二...全文を読む

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ガチバトル・イン・ダンジョン……47

ガチバトル・イン・ダンジョン―山口さま

2012.09.12 (Wed)

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魔王に抱かれた私……19

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.11 (Tue)

 19、罠・3 レフティは昨日から捕虜収容所に詰めていた。軍事演習前日、密航してきた呪術師を取り調べるためだ。彼らは二人組で、浜辺に流れ着いた。それから港町の民家に潜伏し、夜明けを待つ腹積りであったという。 彼らを通報した民間人には、既に事情聴取は済んでいた。 海に上がり、目星をつけた民家の扉を開けた密航者たちは、純朴そうな老夫婦が網を縫っているのを見た。そして「匿ってくれ」と懐から札束を出した。 夫...全文を読む

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魔王に抱かれた私……18

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.11 (Tue)

 18、罠・2 ある日の夕刻、エーベルは洗濯室に立ち寄った。フランが彼に、紺色のチュニックと黒のパンツを手渡してくれる。「どこかに行くの?」 彼女は昔から、宮廷付きの臣下の礼服が好きだった。もしもフランに詰襟チュニックを着た男たちの精悍さや凛々しさを語らせたら、一晩では足りないだろう。「さすがフラン。鋭いね」 エーベルは頬を緩める。 彼は宮中に上がった時から、妙にフランとは馬が合った。彼女もエーベルの...全文を読む

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魔王に抱かれた私……17

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.09 (Sun)

 17、歯車の欠片 レフティが倒れる事件の三日前。  あの日、カインは宮殿内の謁見の間にいた。下座には、着いたばかりの東からの使者がいる。アールと名乗る男から、首相からの直筆の手紙を渡されたばかりだ。 広い室内には、二人の男しかいない。 ルーンケルンは東の国ロードレとの交易を拡大することを条件に、こちらの領海内をロードレ海軍と共同防衛したいと考えていた。 しかし、ロードレ首相は「共同防衛するには、現状...全文を読む

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魔王に抱かれた私……16

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.06 (Thu)

 16、癒し・2 エレーナ女王が燭台のともしびを見つめる。橙色の灯りが警護係と女王を隔てていた。「朝、すごくうれしかったの。あんまりうれしくて、つい気が緩んだのも悪かったと思う。でも……」 エーベルは口ごもった彼女に微笑む。「エレーナさまは、もう既に『普通の女の子』ではないのですよ」「ええ」 エレーナは素直に頷いて彼を見つめた。「わたしはまだ、即位したことに実感が湧いていないのかもしれません」「そうかも...全文を読む

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ガチバトル・イン・ダンジョン……46

ガチバトル・イン・ダンジョン―山口さま

2012.09.04 (Tue)

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書籍化の道は厳しいのだ(´・ω・`)

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.03 (Mon)

 ええーと、「魔王に抱かれた私」の掲載を始めています。私にとっての、初の異世界ファンタジーになります。アルファポリスの「ファンタジー大賞」にも、作品を初めて出してみたりします。以下、ちょっと弱音。大賞に選ばれたりすると、書籍化も大きく道が拓けるのが「アルファ」なんですけれどもなんでも、昨年のエントリー数の650程度から、今やってるのは817作品のエントリーがあるそうで。この時点で泣けてきまry今んとこの最高...全文を読む

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ガチバトル・イン・ダンジョン……45

ガチバトル・イン・ダンジョン―山口さま

2012.09.03 (Mon)

 第四十五話・美人姉妹と3P アイリーンと抱き合いながらキスをしていると、ドアをノックする音がした。「鏡です。入ってもよろしいでしょうか?」「うん」 ドアが開き、彼女が中に入ってきた。その後ろには美羅もいる。「どうした?」「それはですね……ほら、お姉ちゃん」 妹が姉を前に押し出した。美羅は顔を赤く染め、うつむきながら言う。「あ、あのね。その……」「うん」「わ、私もしたいかなって……」 鏡がその後ろで、にや...全文を読む

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魔王に抱かれた私……15

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.03 (Mon)

 15、癒し・1 レフティはベッドに腰かけてフランを待った。ほどなくしてドアをノックする音と「失礼します」という声が聴こえる。「入りたまえ」 ドアを開けたフランは盆の上にスープを乗せていた。「いい匂いがするな」「さっきの先輩が『滋養がつくから飲ませろ』って」 へえ、と頬を緩めたレフティに、彼女はテーブルを引き寄せて盆を置いた。先輩たちから「大チャンスじゃないの! 抱かれちゃえば?」などと冷やかされたこ...全文を読む

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魔王に抱かれた私……14

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.02 (Sun)

 14、生還 レフティの目が覚める。頭上に心配そうな教会付の魔術師と、エレーナ女王の顔があった。 彼は視界に映る白い壁と二人の顔を見た瞬間に飛び起きた。老いた魔術師だけならまだしも、エレーナ女王の泣き出しそうな顔が見えた時に「これは夢ではない」と確信したからだ。そして、ここは宮廷内だとも。 がばっと起きた彼に、エレーナの涙まじりの声が聞こえる。「ああ……よかった! レフティ……!」 心なしか彼女の唇の動き...全文を読む

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魔王に抱かれた私……13

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.02 (Sun)

 13、罠・1 エーベルは宮廷内の広い廊下を、本や書類を抱えて歩いていた。すぐ目の前にある扉が勢いよく開き、急ぎ足で白いシャツの男がそこから出て行く。 彼は瞬時に眉をひそめた。白いシャツの背中には、黒い影がへばりついている。多分、宮廷内では自分の他にカインしか見えないであろう不吉な影。 あの背中はレフティか。 エーベルは避けられない「なにか」を予感した。かすかに動揺していた時、カインが向かい側から下を...全文を読む

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魔王に抱かれた私……12

魔王に抱かれた私――優美香

2012.09.01 (Sat)

 12、痛み・2 陽が昇りはじめている。 カインは、顔を覆っている指のすき間から射し込む光を感じた。 息を吹きかけて玉を磨く。さらにそれを、シャツの胸ポケットから出した正絹の布で包んだ。 ぎい、と音を立てて正面の扉が開いた。視線を移すと、レフティが光を背に受けて佇んでいる。「おはよう、魔王さん」 カインは無言で頷く。「最近は、書庫に引きこもることは止めたのかい?」 レフティの言葉には、明らかに毒があっ...全文を読む

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ゆみか 

Author:ゆみか 
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